壁 Advent Calendar 2025 13日目の記事です
年末となれば、エンジニアがこぞって今年買って良かったものの振り返りを始め、隙間に自分語りを挟むというのはもはや風物詩である。しかし、詭弁論部に所属し、詭弁を栖に、逆張りを常とする筆者にとって、そんな大衆的ムーブメントにかまけている時間はないのである。
それはさておき今年買って良かったものTOP3を振り返ると次のようになる
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注文住宅
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スチームオーブンレンジ
- SHARPのヘルシオが有名だが、東芝の石窯ドームの最新型を買った
- 肉や野菜を適当に突っ込めば自動でいい感じにしてくれるおまかせ調理機能がかなり便利
- スマホアプリと配信されているレシピもいい感じ
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ヤマハの楽器用チューナー(楽器練習用)
- いわゆる吹奏楽部が持ってるアレ
- さすがに長年使われているだけあって、モノとしての完成度がすごい
- チューナーとメトロノームが使いやすいだけで楽器練習の効率が上がるので、良い投資だった

YAMAHA TDM-710製品ページより
というわけで今回は自宅購入の話である。家そのものの話というより、家を建てるというプロセスにおける当事者としてのややメタな振り返りを述べる。
壁アドベントカレンダーで記事を書くのもこれで3回目である。2021年には博士課程を振り返った話を書き 学際研究と壁、2023年にはライフイベントに関連して 結婚の壁 という記事を書いた。
思えば自分がライフステージを進めていることに驚くとともに、アラサーともなると自分のことだけを考えていればいいわけではなく、かくもライフイベントが連続するのだなと考えさせられる。
前提:
- 都内に新築戸建て(注文住宅)を買う
- 家族は妻と私(筆者)
初期検討・土地選びフェーズ
住宅となるとマンションか戸建てか、新築か中古か、そもそも賃貸か持ち家かなど様々なシナリオがあるが、結局のところ正解はなく、個人のライフスタイルや、その時点での環境で何が良いかは千差万別なので好きにするのがよい。特に思うのは、数字に現れない感性的な要素がかなりの程度あるので、単に金額が高い・安いからという議論は不毛である。例えば周辺環境とか。
- どういう家にしたいか?というコンセプトを大まかに決めておくと良い
- 快適に過ごせる、という点を重視した
- 具体的には断熱、防音、家事動線
- ハウスメーカーにせよ工務店にせよ、はじめにアサインされる営業が鍵である。初期提案や土地選び、スタッフの選定や初期のプロジェクト進行など営業に依存する部分はかなり大きい。ここで担当者がシゴデキかどうかは本当に命運を握る。何ならここが家作りの最重要かもしれない
- 友人や知人にリサーチしてリファラルをもらうのが無難である
- リファラル割引もあったりする
- 住宅展示場に飛び込みで行くのは悪手である(=ここで営業担当者が決まる)。
- 秋頃からHM複数社との相談や土地探しをはじめた。冬に良い土地が見つかり、土地およびHMとの契約、そこから打ち合わせをしつつ春先に着工、初秋に入居という流れで、ざっくり1年ほどのプロジェクトになった。
- HMによって工法や使用機材が異なり、道路幅によっては対応できなかったりする
- デザインの方向性もかなり違う。色々見てみると良い
- 標準プランで選べる設備や内外装の内容にもかなりの差がある
- 我々は友人からのリファラルで紹介してもらった営業担当者が経験豊富だったことや、提案内容、世界観など総合的に判断して某国内大手HMに決めた
- 関わった方々は営業から現場担当者まで全員が真面目かつ誠実だった。やや高めと言われるメーカーではあるが、やり取りに限らず、それに見合う良い仕事をしてくれたと感じる。
- 土地選びは難しい
- 良い土地はなかなか出てこないし、安い土地には何らかの理由がある。ここは焦らず気長に見たほうがよい
- 近所で売りに出ている土地をいくつか見に行くと相場感も掴める
- 防火区域だとお金がかかる
- 家を建てるまで気にしたこともなかったが、街には防火区域というものがあり、住宅密集地では大概これに当てはまる
- 防火地域では隣の家との距離によって延焼ラインが定められており、そこに該当する場合は窓やドアなどに対応製品を選ぶ必要がある
- 防火区域外に家を建てる場合と比べると、総額で500万円ぐらい変わるらしい(HM曰く)
- 地盤が弱いと地盤改良が必要となり、これがかなり高い(200万円とか)
- 地盤改良(杭の打ち込みなど)が必要かどうかの調査ができるのは土地の契約が済んでからであり、その結果がわかる頃には自宅の設計も大詰めになっているので、ここで大きな増額が入るとかなり痛い。
- 対策としては、土地を選ぶ際に各自治体のハザードマップを目を凝らして見るぐらいだろうか。。
金策の話